竹掘りに行って来ました

2012年12月9日

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今年も竹掘りの季節がやってきたので
今回は先日行った尺八用の竹掘りの話でも。

竹掘りの時期は冬、その中でも11~12月くらいがベスト。
何でも竹の中のデンプン質の量が一番少なくなり
この時期に採った竹は虫に食べられづらいとのこと。

(実際には冬以外の季節だと、雑草やヤブ蚊のため作業が大変です。
冬以外に採った竹で尺八が絶対に作れないという訳ではありませんが。)

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竹掘りの道具。
最低限必要なのは竹の上部を切断するためのノコギリ
根っこを切断するための根切り
それと指孔位置や太さを確認するためのメジャー

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竹藪はたくさんあっても尺八になる竹はなかなかありません。
ではどうやって探すかというと、写真のように根っこが
地上に出ている藪を見つけることが重要。

その場所の地質によって、根っこが深くもぐっている藪は
何万本生えていようとも全体的にもぐってしまっています。
逆に根っこが出ている藪は全体的にそうなっている場合が
多いので、良い藪を見つければまとめて収穫出来る可能性大。

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太さや節の間隔などをメジャーで確認し獲物を特定。
上部は矯め直しを考えて一節分くらい長めにカット。
あとは根切りで根っこを断ち切っていく訳ですがこれが重労働。
早くて5分、長いと15分以上根っこと格闘。
数本掘っただけで汗だくになる作業です。

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格闘することしばし、やっと獲物をゲット。
こうやって苦労して掘っても、根っこの土を落としてみたら
形が悪かったり、長さが合わなかったり、
実際に狙い通りの尺八を作れるのは数本に1本くらい。

掘った後の油抜きや天日干し、陰干し数年などの
作業の手間を考えると正直言って買った方が安いかもしれません。
でも趣味でやる分にはまるで宝探しのようで楽しいものです。

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この日の収穫。
クタクタになりました。
この中から1本でも名器ができるといいな~。

 

古文書に見る永隣寺

2012年12月5日

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前回の記事で、茨城県大子町の虚無僧寺「永隣寺跡」を
訪ねた話をさせていただきましたが、
詳細は虚無僧研究会機関誌一音成佛第二号掲載
神長荘州著「おらが普化寺~払垢山永隣寺~」という
記事を参考にさせていただきました。

その中に、
「常陸国北郡里程間数之記」(安政二年、加藤寛斉著)の
小生瀬邑の部に依れば・・・「普化宗永隣寺」との記載もある。

という一文が出てきます。(安政二年は1855年)

今回、国会図書館のデジタル化資料の中にその絵図を
確認することができました。(2011年デジタル化)

自分のメモ代わりに記事にさせていただきます。

 

藤田竹心師ご来訪(後編)

2012年11月28日~12月1日

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楽しい日光旅行を終え、茨城の工房に移動した後は
藤田竹心師の今回の一番の目的である
笛用の竹材採取に出かけました。

青森県は篠竹自生域北限よりはるか北にあるため
実際に自分で竹材を採取する機会が無かったとのこと。
ねぷた笛作りの名人が、まるで少年のように
目を輝かせながら竹藪の中で動き回っていました(笑)。

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翌日は茨城県大子町にある日本三名瀑の一つ
「袋田の滝」を訪れました。
「華厳の滝が男性的な迫力なら袋田の滝は女性的な美しさ」
とは藤田師のコメント。
どこか昭和の薫りが漂うような
古き良き観光地の雰囲気も楽しめました。

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その後、同じく大子町に残る虚無僧寺「永隣寺跡」を訪ねました。
1602年頃「生瀬騒動」と呼ばれる水戸徳川家による
村民大虐殺事件がこの付近で起きましたが、
この永隣寺はその直後に開かれたようです。
水戸徳川家が事件後の情勢安定を計って建てたと考えられ、
「虚無僧は幕府のスパイだった」という説を裏付ける
一つの資料ともなっています。

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永隣寺跡に残っていた虚無僧墓が数基、
道路を挟んで向かいの地蔵堂敷地内に移されています。
虚無僧墓の前で藤田師と共に献奏。
(政府のスパイだったと思うと庶民としては複雑ですが(笑))

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3日間の工房ご滞在中、夜は薪ストーブを囲みながら
本場のねぷた囃子や錦風流尺八を教えていただいたり
いろいろな話を聞かせていただいたり
本当に楽しい時間が過ごせました。

藤田竹心師、今回は遠いところをわざわざおいでいただき
どうもありがとうございました!

藤田竹心師ご来訪(前編)

2012年11月27・28日

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根笹派錦風流尺八の青森県技芸保持者で
ねぷた笛の製作者でもあられる藤田竹心師が
今回弘前からはるばる藍空工房を訪ねて下さいました。

もともと我が師前川耕月先生と藤田竹心師の
錦風流尺八を通してのご友好関係から
私も数年前に藤田師にご紹介いただきました。

はるばる関東までいらっしゃるならばと
前川耕月先生が藤田師を日光旅行にご招待、
私も運転手役としてご一緒させていただきました。

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日光湯元での心地良い温泉と素敵な食事、
戦場ヶ原・華厳の滝・日光東照宮などの観光、
尺八談義に花を咲かせながら
とても楽しい日光旅行となりました。
前川先生どうもありがとうございました!

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日光湯元で一泊した翌早朝、
一人で湖畔まで散歩しながら尺八を吹いてきました。
実は前日、日光湯元だけ雪が降って朝起きたら銀世界!
景色は最高でしたが、寒さで指がかじかんで
10分吹くのが限界でした(笑)。

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楽しい日光旅行の後はいよいよ
藤田竹心師と共に茨城の藍空工房に向かいます。
(つづきは後編へ)